2013年12月8日日曜日

テクニックのミスに関する問題の解答例

今回は、前回の投稿で質問を投げさせていただいていたので、その解答例を書いていきたいと思います。
わざわざ例と書かせていただいたのは、各チームのプレーモデル(試合の進め方)によって、最も必要とされるテクニックは違い、それによって優先度も変わってくるはずだという理由です。ですので、今回は私が考える、レバンテUDが考えるあのシーンの中で最も修正したいテクニックのミスについて指摘していきたいと思います。

さて、問題のシーンをもう一度見てみましょう。

レアル・マドリードのシャビ・アロンソからベンゼマにパスが渡り、バレンシア相手に得点を取ったシーンです。
さて、見ていただけると分かると思いますが、この動画の中にはいくつものテクニックが使われています。例えば、トラップ、パス、ドリブル、フェイント、クリア、タックル等ですね。
では、どのテクニックに重大なミスがあったか?
それは、「クリア」です。

では、「クリア」に注目して、もう一度見直してみましょう。
誰か不自然な動きをしている選手はいませんか??

そう、センターバックのリカルド・コスタ選手です(得点者ベンゼマのマークについている選手)。では、何がミスなのか。
もちろん、彼、チームとしてのポジショニング等に問題があるという指摘はあるでしょうが、それよりも今回は彼が「クリア」の際に用いたテクニックについて、考えていきましょう。

まず、からだの向きを見てみましょう。映像の0:16のあたりで、からだはどちらを向いているでしょうか?
この時点で彼はボールとマークを見れるように良いからだの向きをしており、問題ないように思われます。(どちらの足が前に出ているか注目していてください)

その後、シャビ・アロンソからパスが出ます。
そして、彼は「クリア」の為に、右足を出してボールに触りにいくが、球足が早く追いつかずにベンゼマに渡り、ゴールに繋がります。

聡明な皆様はこの時点でもうお気づきかと思われますが、そう今回の問題点は「クリア」の足です。
右から来るボールに対して、右足でボールを触りにいくのと、左足で触りにいくのでは、足を伸ばした際に「腰の距離」だけ右足で触りにいくと損をしてしまいます。これが、「クリア」のテクニックなのです。さらに、ポジションをとっていた状況で既に左足が前に出ていて、右足よりも前にあり、より遠くに届く可能性があるもも左足だったはずです。

彼は右利きなのできっと、左から来るボールに対しては、右足で「クリア」に行くことでしょう。しかし、右から来るボールに対しては左足でいかない。もし、育成時代にきっちりと修正されていれば起こりえなかった失点だと言えます。(右利きの方は左からボールがあがってくることをイメージしてみてください。きっと右足のほうが遠くに届くことが分かると思います)

もちろん、右から来たボールに対して、右足でいく場面もあると思います。例えば、競り合いの場面で、相手よりも先にボール触らなければならないぎりぎりの時などです。しかし、今回の場面では、そうではなく事前に相手の位置も把握し、ポジションも適切な位置をとっていたはずなのできっちりと「左足でクリア」に行く必要があったと判断できます。
これが、先週の私の質問の答えになります。

いかがだったでしょうか?
こう考えると、「試合の場面に応じて適切なテクニックを使うこと」が重要だということに気がつかされます。

テクニックは状況の中で自動化される必要があり、それをトレーニングするには試合の状況を無視したオーガナイズでは意味がないことが今回の映像とそのミスを見て分かっていただけたかと思います。
要は、トレーニングの中できっちりと状況を設定した上で、説明し納得させて適切なテクニックを身につけなければならないということです。

指導者の責任は大きいですね(汗。。。)


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余談ですが、実は本投稿の裏の目的が「クリア」をテクニックだと認識してもらうことになったのですが、いかがだったでしょうか???
私自身、日本にいたときにテクニックと言われればトラップ、パス、ドリブルをイメージしていましたが、皆様に守備のテクニックもあるということに気がついていただければ幸いです。

詳しく知りたい方は、『誰にでもわかるサッカー説明書~テクニック編~』を観ていただけると分かると思います。(http://soccersetsumeisho.jimdo.com/
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