ご無沙汰しております。
ここバレンシアは6月に入り全てのカテゴリーのリーグが終了し、来シーズンに向けてのセレクションの時期になりました。
私の今シーズンの成績はというと、U11では監督として5位、またユースCチーム(3部所属)では第二監督として、Aチーム(1部所属)が2部に降格したため我々が昇格戦を戦えなかったものの、リーグで2位という成績を収めました。
さてさて、標題にあるように来シーズンの去就についてですが、3年半、スペインに着いた3日目からお世話になってきたアルボラヤUDを出て、私の第一監督スソとタベルネス-ブランケスというチームのユースAチーム(2部所属)を引き受けることになりました。
2部のLiga Nacionalは、我々2人にとって未知の体験ですし、3部とは違う次元のサッカーが待っていることと思います。しかも、バレンシアCF、ビジャレアルCF、レバンテUD、エルチェCF、エルクレスCFとプロクラブが対戦相手として名前を連ねることとなります。
正直、アルボラヤUDを出るということは苦渋の決断でした。
右も左もスペイン語も分からないアジア人を引き受けてくれ、更に去年からは第一監督を任せてくれ、家族の様に接してくれた仲間たちとの別れは非常に悩ましいものでした。
しかし、更に高みに登るため自分を試すためには一度外に出て、修行してくれるのもありだと思い、今回の決断に至りました。
今だにこの決断が正解かどうかという問いが頭の中によぎることもありますが、せっかくのチャンスなので最大限に利用し、楽しんでいきたいと思います。
さて、来季のために6月末から1ヶ月半近く日本に帰国します。
皆様にお会いできるのを楽しみにしております!!!
『思わないことは実現しない。動かないと変わらない。』をモットーに『笑って死ねるか?』を判断基準として生活しています。私の生活の一部をBlogという形で公開させていただいております。バレンシアの地でサッカー指導者、監督として活動しています。 (※『No empieza, no acaba』は『始めないと、終わらない』という意味)
2015年6月3日水曜日
2015年4月17日金曜日
U14日本チームのアテンドを終えて
3月末から4月頭にかけて日本のU14のチームのアテンドをさせていただきました。
今回は、会社の人間が一丸となって、先方と時間をかけて選手の経験を最優先に考え、遠征を練ってきたため、普通の遠征とは一味違うものとなったと思います。
今回我々がオーガナイズ側として新しく挑戦した事は、バス移動は長距離移動以外減らして、出来るだけ個別行動を増やし、スペイン人の生活様式に近づけること。
1.小グループに分かれての現地チームとの合同練習
2.2人組でのホームステイ(選手たちにはトレーニングの時間だけを伝えてホームステイ先から合流クラブに自分達だけで行ってもらいました:リスクはコントロールしています)
バスで移動し、すべてオーガナイズされた中で親善試合をする。
間違いないこれも経験になると思います。
ただ、そこに私は何故スペインなのか?何故海外なのか?という所が深く掘り下げられていないように感じており、以前から選手たちが自分たち自身で見て、聞いて、嗅いで、肌で感じてという遠征をしたいと思っていました。
大人がコントロール出来る危険であれば子供達に体験させていいのではないか、海外で生活することは楽しいことだけじゃないし、本当のスペインを知って欲しい。それでもしスペインを嫌いになってしまっても、それだって経験だと思えるし、それでこそ自分の言葉で本当の経験を語ることができるようになる、という思いでオーガナイズさせて頂きました。
正直、今回の遠征は以前よりも3倍近くのエネルギーと時間を使いました。個別行動になることにより、連絡先も増え、説明の回数も増え、リスク管理するべき事柄も増え、もちろんクレームも増えました。ただ遠征が終わって心から言えるのは、この遠征は間違いじゃなかったということ。
その理由は2つ。
1.短期間にも拘らず、選手の変化が目に見えて分かったこと
(変化する選手、しない選手の違いが明確に分かりました:一言で言うと『琢磨しさ』)
2.選手の見えていなかった部分が見えたし、再確認できた
(チームの指導者から頂いた言葉で、試合のメンバーの組み方が変わるほどでした)
非日常、自分の想定していないことが起こる中に入ると、本当の自分が見えてきます。海外に出るということは想定外の連続でそれこそが人間力、胆力の試される場所に成るはずです。また、指導者側が注視しなければならないことです。問題が起こった時に、誰かに頼るのか、自分で解決しようとするのか、質問するにしてもどんな質問の仕方をしてくるのか、事前にイメージができているのか、日常のトレーニングだけでは見られない部分がたくさん出てくるからこそ意味があると思うのです。

今は、情報が溢れて何が正しくて、何が間違いっているかを自分で判断しなければならない時代。自分の目で見て、聞いて、嗅いで、肌で感じたことは紛いもない本物。それを若くして経験できることは将来の財産に成るはずです。
なかなか出来ない海外遠征だからこそ、その効果を最大限に引き出し、選手の可能性を引き出す事ができるよう、我々もプログラムを進化させていきたいと思います。
今回は、会社の人間が一丸となって、先方と時間をかけて選手の経験を最優先に考え、遠征を練ってきたため、普通の遠征とは一味違うものとなったと思います。
今回我々がオーガナイズ側として新しく挑戦した事は、バス移動は長距離移動以外減らして、出来るだけ個別行動を増やし、スペイン人の生活様式に近づけること。
1.小グループに分かれての現地チームとの合同練習
2.2人組でのホームステイ(選手たちにはトレーニングの時間だけを伝えてホームステイ先から合流クラブに自分達だけで行ってもらいました:リスクはコントロールしています)
バスで移動し、すべてオーガナイズされた中で親善試合をする。
間違いないこれも経験になると思います。
ただ、そこに私は何故スペインなのか?何故海外なのか?という所が深く掘り下げられていないように感じており、以前から選手たちが自分たち自身で見て、聞いて、嗅いで、肌で感じてという遠征をしたいと思っていました。
大人がコントロール出来る危険であれば子供達に体験させていいのではないか、海外で生活することは楽しいことだけじゃないし、本当のスペインを知って欲しい。それでもしスペインを嫌いになってしまっても、それだって経験だと思えるし、それでこそ自分の言葉で本当の経験を語ることができるようになる、という思いでオーガナイズさせて頂きました。
正直、今回の遠征は以前よりも3倍近くのエネルギーと時間を使いました。個別行動になることにより、連絡先も増え、説明の回数も増え、リスク管理するべき事柄も増え、もちろんクレームも増えました。ただ遠征が終わって心から言えるのは、この遠征は間違いじゃなかったということ。
その理由は2つ。
1.短期間にも拘らず、選手の変化が目に見えて分かったこと
(変化する選手、しない選手の違いが明確に分かりました:一言で言うと『琢磨しさ』)
2.選手の見えていなかった部分が見えたし、再確認できた
(チームの指導者から頂いた言葉で、試合のメンバーの組み方が変わるほどでした)
非日常、自分の想定していないことが起こる中に入ると、本当の自分が見えてきます。海外に出るということは想定外の連続でそれこそが人間力、胆力の試される場所に成るはずです。また、指導者側が注視しなければならないことです。問題が起こった時に、誰かに頼るのか、自分で解決しようとするのか、質問するにしてもどんな質問の仕方をしてくるのか、事前にイメージができているのか、日常のトレーニングだけでは見られない部分がたくさん出てくるからこそ意味があると思うのです。

今は、情報が溢れて何が正しくて、何が間違いっているかを自分で判断しなければならない時代。自分の目で見て、聞いて、嗅いで、肌で感じたことは紛いもない本物。それを若くして経験できることは将来の財産に成るはずです。
なかなか出来ない海外遠征だからこそ、その効果を最大限に引き出し、選手の可能性を引き出す事ができるよう、我々もプログラムを進化させていきたいと思います。
2015年4月9日木曜日
監督をシーズン途中から引き受けるということ
途中からU11の監督を引き受けてから2ヶ月が経ちました。
上位対決を僅差で落とし、現在は4位に位置づけています。
さて、今回は途中から監督としてチームを率いることになり、気をつけていること、気がついたことを書いていきたいと思います。
まず、就任1週目にしたことは、選手を徹底的に分析すること。
技術レベル、戦術理解度、性格、フィジカルを数値化し、当時のポジションを鑑み、それがチームとしてどう機能しているのかを確認しました。
そこから、前任の監督の今までのトレーニングを確認し、これからの予定を立てます。
ただ、ここで気にしなければならないのが、就任2週間は選手からの信頼が無いということです。更に、私は彼らにとって外国人なので更に信頼が無いのは明白です。
信頼がなければ、この監督が勝たせてくれる監督なのか、自分を成長させてくれる監督なのか、選手たちもこちらを探り探りなので、トレーニングの精度、強度は下がります。
こそで必要なのが勝利です。
勝利をすることで選手の信頼を得ることが出来る。勿論、勝つことが全てじゃない。そう信じています。でも勝たなければいけないのです。それは、良いトレーニングをするため、残り少ないトレーニング期間を有意義にするために必要なことです(このメンタルはスペイン特有かもしれません)。
そこから導き出した答えは、守備戦術の徹底。
前任監督が採用していた1-3-2-2から1-3-3-1にシステムを変更し(相手も1-3-3-1)、中盤を厚く、守備陣系を整えやすいシステムにし、攻→守のプレッシャーのかけ方、相手がボールを保持している時の守備の優先順位を確認し、そこからボール奪取→速攻という流れを2週間で徹底的にトレーニングしました。
それにより、守備が落ち着き就任から2週間を2連勝で飾ることができ、選手の信頼を得ることに成功しました。

そこから、上位対決2連戦をFK1本でやられてしまいますが、選手たちには『守り切ることが出来る』という自信が付いたようで、私が守備の際に『Orden(整えろ)』という一言を発するだけで、守備陣系が整うようになってきました。
途中から監督を引き受けるという貴重な体験から得られたことは、自分の分析から得た答えを徹底してトップダウンで決め付けて、落としこむ方法もありだということ。
『この場面では、こう動いて、ここに立たなければならない。何故ならば、・・・』と、例外なくそれを実行しなければならない事を伝え、彼らの中に疑問が生じない様にしてあげます。
勿論、指導者としては他の選択肢があることも分かっているのですが、それを落としこむには時間がかかり、負けてしまってはその後の長期的トレーニングにさえ辿り着けない可能性(クビになる、選手の信頼を得られない)があるので、こういった方法を取り、とりあえず今のところ成功と言って良い成績を収めています。

1ヶ月半経った今は、再度残りの1ヶ月半の計画を立て直し、週末をきっちりと闘いながら、バランスの良いチーム、来シーズン(8人制→11人制)に向けて、選手がプレイしやすいようにトレーニングを考えていかなければなりません。
この経験がどう今後に役に立つかは分かりませんが、自分の中で一つ新しい指導メソッドを試すことが出来たのは大きな経験になりました。
残り1ヶ月半のシーズンを彼らと楽しみたいと思います!!
上位対決を僅差で落とし、現在は4位に位置づけています。
さて、今回は途中から監督としてチームを率いることになり、気をつけていること、気がついたことを書いていきたいと思います。
まず、就任1週目にしたことは、選手を徹底的に分析すること。
技術レベル、戦術理解度、性格、フィジカルを数値化し、当時のポジションを鑑み、それがチームとしてどう機能しているのかを確認しました。
そこから、前任の監督の今までのトレーニングを確認し、これからの予定を立てます。
ただ、ここで気にしなければならないのが、就任2週間は選手からの信頼が無いということです。更に、私は彼らにとって外国人なので更に信頼が無いのは明白です。
信頼がなければ、この監督が勝たせてくれる監督なのか、自分を成長させてくれる監督なのか、選手たちもこちらを探り探りなので、トレーニングの精度、強度は下がります。
こそで必要なのが勝利です。
勝利をすることで選手の信頼を得ることが出来る。勿論、勝つことが全てじゃない。そう信じています。でも勝たなければいけないのです。それは、良いトレーニングをするため、残り少ないトレーニング期間を有意義にするために必要なことです(このメンタルはスペイン特有かもしれません)。
そこから導き出した答えは、守備戦術の徹底。
前任監督が採用していた1-3-2-2から1-3-3-1にシステムを変更し(相手も1-3-3-1)、中盤を厚く、守備陣系を整えやすいシステムにし、攻→守のプレッシャーのかけ方、相手がボールを保持している時の守備の優先順位を確認し、そこからボール奪取→速攻という流れを2週間で徹底的にトレーニングしました。
それにより、守備が落ち着き就任から2週間を2連勝で飾ることができ、選手の信頼を得ることに成功しました。

そこから、上位対決2連戦をFK1本でやられてしまいますが、選手たちには『守り切ることが出来る』という自信が付いたようで、私が守備の際に『Orden(整えろ)』という一言を発するだけで、守備陣系が整うようになってきました。
途中から監督を引き受けるという貴重な体験から得られたことは、自分の分析から得た答えを徹底してトップダウンで決め付けて、落としこむ方法もありだということ。
『この場面では、こう動いて、ここに立たなければならない。何故ならば、・・・』と、例外なくそれを実行しなければならない事を伝え、彼らの中に疑問が生じない様にしてあげます。
勿論、指導者としては他の選択肢があることも分かっているのですが、それを落としこむには時間がかかり、負けてしまってはその後の長期的トレーニングにさえ辿り着けない可能性(クビになる、選手の信頼を得られない)があるので、こういった方法を取り、とりあえず今のところ成功と言って良い成績を収めています。

1ヶ月半経った今は、再度残りの1ヶ月半の計画を立て直し、週末をきっちりと闘いながら、バランスの良いチーム、来シーズン(8人制→11人制)に向けて、選手がプレイしやすいようにトレーニングを考えていかなければなりません。
この経験がどう今後に役に立つかは分かりませんが、自分の中で一つ新しい指導メソッドを試すことが出来たのは大きな経験になりました。
残り1ヶ月半のシーズンを彼らと楽しみたいと思います!!
2015年2月11日水曜日
ご報告
なかなかブログを書けないでいましたが、少し状況が変わって来たのでご報告させていただきたいと思います。
端的に言うと先日、U10の監督を解任されました。
そして、U11の監督に就任しました。
というのも、ユーストップチームの監督が解任になったと同時に、彼が兼任していたU11監督も辞職されたので、U11の監督が空きになり、なぜか分かりませんが私に監督就任の話が回ってきました。
正直、今のチームを9月からここまで作ってきて、成績も2位と高位置に付け、選手からの信頼も得られている中でチームを変える必要があるのか、またこのまま今の選手達とシーズンを最後まで戦いたいという気持ちがあったのも事実ですし、わざわざ知らないチームをシーズン途中から引き受けるメリットを感じられませんでした。
ではなぜ引き受けたのか、その理由は一つだけ。
多分、誰も引き受けないから(笑)。天邪鬼。。。
U11と言ってもCチームなので、今指導しているU10のBチームよりも選手の質から言えば落ちてしまいますし、前任のユーストップ監督と比べられるし、チーム事情も今のチームほど良くない為、私の立場であれば誰も引き受けないだろうなと思ったのが理由です。
何がともあれ、この経験はきっとどこかで役に立つだろうし、海外で監督をしている日本人の中でも(U11ですが)途中からチームを見る経験をした人は少ないのではないかとポジティブに残りのシーズンを新しい選手たちと過ごしていきます。
実際、クラブがこういった状況の時に、私に声をかけてくれた事自体も嬉しかったですし。
ということで、2月からU11の監督として活動することになりましたので、これからもどうぞ宜しくお願い致します。
端的に言うと先日、U10の監督を解任されました。
そして、U11の監督に就任しました。
というのも、ユーストップチームの監督が解任になったと同時に、彼が兼任していたU11監督も辞職されたので、U11の監督が空きになり、なぜか分かりませんが私に監督就任の話が回ってきました。
正直、今のチームを9月からここまで作ってきて、成績も2位と高位置に付け、選手からの信頼も得られている中でチームを変える必要があるのか、またこのまま今の選手達とシーズンを最後まで戦いたいという気持ちがあったのも事実ですし、わざわざ知らないチームをシーズン途中から引き受けるメリットを感じられませんでした。
ではなぜ引き受けたのか、その理由は一つだけ。
多分、誰も引き受けないから(笑)。天邪鬼。。。
U11と言ってもCチームなので、今指導しているU10のBチームよりも選手の質から言えば落ちてしまいますし、前任のユーストップ監督と比べられるし、チーム事情も今のチームほど良くない為、私の立場であれば誰も引き受けないだろうなと思ったのが理由です。
何がともあれ、この経験はきっとどこかで役に立つだろうし、海外で監督をしている日本人の中でも(U11ですが)途中からチームを見る経験をした人は少ないのではないかとポジティブに残りのシーズンを新しい選手たちと過ごしていきます。
実際、クラブがこういった状況の時に、私に声をかけてくれた事自体も嬉しかったですし。
ということで、2月からU11の監督として活動することになりましたので、これからもどうぞ宜しくお願い致します。
2014年9月29日月曜日
日本人リーガプレイヤーからみる日本選手の課題
先日、久しぶりにリーガの試合をメスタージャに観に行きました。
というのも、唯一のリーガ・エスパニョール日本人プレイヤーである、ハーフナー・マイク選手を見てみたかったからです。
.jpeg)
さて注目のハーフナー・マイク選手ですが、スタメンでの出場ではなく、後半60分からの出場となりました。対戦相手が、好調を維持しているバレンシアCFということもあって、チームとしてかなり差が見られました。しかし、その中でも一緒に観戦していたスペインサッカーに挑戦している日本人選手A君の初期の現象(課題)と重なる部分が多く見られたので、それについて今回は書いてみたいと思います。
その課題とは、大きく言うと「守備戦術理解」。
まず、ハーフナー選手が出場した時の状況を整理します。
コルドバのシステムは1-4-4-2(ハーフナー選手投入でシステム変更)、バレンシアは1-4-2-3-1、バレンシアにボールを保持される状況が長い、出場時は負けていた、コルドバは自陣に引いて守備をするという戦術をとっているという状況でした。
上記の状況を考えると、勝っている相手のDFは無理をして前に出てこないため、コルドバのFWはそこまで高い位置は取れないまでも、4人のDFに対して、2人のFWで連動しパスコースを限定していく必要があります。
そんな中、ハーフナー選手は途中出場かつ、前4試合に得点できていないという焦りもあったのか、単独で4人のDFにプレッシャーを掛けに行き、簡単に剥がされてしまいます。また、本来プレッシャーをかけていく高さ(チームが整っていない)でない状況でもプレッシャーに行き、簡単に剥がされてしまっていました。守備の際に居なければいけない場所、居て欲しい場所が分からず、迷子のようになっていました。

実はこの状況は、ハーフナー選手に限ったことではなく、スペインに挑戦するサッカー選手のほとんどが陥る状況です。前述した今スペインに挑戦している若手選手A君(若手有望株)も最初は、守備の際にどこに居ていいか分からず、ボール奪取に何の役にも立たず、本人も「守備の方法が分からないので、ボールが取れません」と言っていたほどでした。彼も迷子になっていたのです。ただ、チームで約半年間トレーニングを続けることで、守備戦術もボーダーラインに来るまでにはなり、チームに迷惑をかける心配はなくなりました。
しかし、半年という期間はプロの選手にとっては致命的です。更に、海外に助っ人として来ていて、半年結果を出せないのであればトッププロ(プレミアリーグ、リーガ・エスパニョーラ等)の世界では不要とされるでしょう。
実際、4試合得点出来ていないということもあるのか、味方からの信頼を得られてないようで、確実にハーフナー選手にボールが出せるマークの状況で、出し手の顔も上がり、身体も向いているのにロングパスを選択されず、サイドへのショートパスを選択されました。これも、スペインではかなり重要な要素で、味方からの信頼感がない場合は露骨にパスが来なくなります。
A君が「日本で頭が良くないとサッカーは出来ないと言われてもあまりピンとこなかったし、そこそこ出来てしまっていましたが、スペインに来て本当に頭が良くないとプレーが出来ないことが分かりました」という言葉が語るように、本当の意味で頭をつかうサッカー(戦術的状況を理解、分析、実行する力)を育成年代からトレーニングすることが、若い選手が世界トップレベルでプレーをし、日本が世界で戦える国となる一つの道になるのではないかと、今回の試合を観て、改めて考えさせられました。
というのも、唯一のリーガ・エスパニョール日本人プレイヤーである、ハーフナー・マイク選手を見てみたかったからです。
.jpeg)
さて注目のハーフナー・マイク選手ですが、スタメンでの出場ではなく、後半60分からの出場となりました。対戦相手が、好調を維持しているバレンシアCFということもあって、チームとしてかなり差が見られました。しかし、その中でも一緒に観戦していたスペインサッカーに挑戦している日本人選手A君の初期の現象(課題)と重なる部分が多く見られたので、それについて今回は書いてみたいと思います。
その課題とは、大きく言うと「守備戦術理解」。
まず、ハーフナー選手が出場した時の状況を整理します。
コルドバのシステムは1-4-4-2(ハーフナー選手投入でシステム変更)、バレンシアは1-4-2-3-1、バレンシアにボールを保持される状況が長い、出場時は負けていた、コルドバは自陣に引いて守備をするという戦術をとっているという状況でした。
上記の状況を考えると、勝っている相手のDFは無理をして前に出てこないため、コルドバのFWはそこまで高い位置は取れないまでも、4人のDFに対して、2人のFWで連動しパスコースを限定していく必要があります。
そんな中、ハーフナー選手は途中出場かつ、前4試合に得点できていないという焦りもあったのか、単独で4人のDFにプレッシャーを掛けに行き、簡単に剥がされてしまいます。また、本来プレッシャーをかけていく高さ(チームが整っていない)でない状況でもプレッシャーに行き、簡単に剥がされてしまっていました。守備の際に居なければいけない場所、居て欲しい場所が分からず、迷子のようになっていました。

実はこの状況は、ハーフナー選手に限ったことではなく、スペインに挑戦するサッカー選手のほとんどが陥る状況です。前述した今スペインに挑戦している若手選手A君(若手有望株)も最初は、守備の際にどこに居ていいか分からず、ボール奪取に何の役にも立たず、本人も「守備の方法が分からないので、ボールが取れません」と言っていたほどでした。彼も迷子になっていたのです。ただ、チームで約半年間トレーニングを続けることで、守備戦術もボーダーラインに来るまでにはなり、チームに迷惑をかける心配はなくなりました。
しかし、半年という期間はプロの選手にとっては致命的です。更に、海外に助っ人として来ていて、半年結果を出せないのであればトッププロ(プレミアリーグ、リーガ・エスパニョーラ等)の世界では不要とされるでしょう。
実際、4試合得点出来ていないということもあるのか、味方からの信頼を得られてないようで、確実にハーフナー選手にボールが出せるマークの状況で、出し手の顔も上がり、身体も向いているのにロングパスを選択されず、サイドへのショートパスを選択されました。これも、スペインではかなり重要な要素で、味方からの信頼感がない場合は露骨にパスが来なくなります。
A君が「日本で頭が良くないとサッカーは出来ないと言われてもあまりピンとこなかったし、そこそこ出来てしまっていましたが、スペインに来て本当に頭が良くないとプレーが出来ないことが分かりました」という言葉が語るように、本当の意味で頭をつかうサッカー(戦術的状況を理解、分析、実行する力)を育成年代からトレーニングすることが、若い選手が世界トップレベルでプレーをし、日本が世界で戦える国となる一つの道になるのではないかと、今回の試合を観て、改めて考えさせられました。
2014年9月22日月曜日
2014-2015シーズン 開幕戦
昨日、遂に2014-2015シーズンが開幕しました。
報告が遅れましたが、今シーズンはJuvenil C(ユースカテゴリーのU-16チーム)で第二監督と、Alevin D(U-10)で第一監督を担当することになりました。
去年と担当カテゴリーの大きな変化はありませんが、U-16はU-18の選手たちを相手に昇格が目標で、U-10はまだリーグが開幕していないので対戦相手が分かりませんが、素質から見て上位争いに入ることが目標になってくると思います。
今年こそは目に見えた形で何かを残したいと思っているので、気合入れて自分の出来る限りのちょっと上を目指していきたいと思います。
さて、ユースカテゴリーの方ですが、6週間のプレシーズンを終え、遂にリーグが開幕です。
対戦相手は去年苦しめられた古豪クラブです。ただ、相手のリーグ前最終戦をスカウティングに行き、第一監督のヘスースと分析した結果、攻撃時は、相手は引いてカウンターでなかなかスペースを空けてくれないが、攻守の切替でライン間にスペースが空くのでそこに早くボールを運んで前に進んでいくこと、システムのミスマッチを狙っていくということになりました。

(試合前にコーナーキックの攻撃と守備の形を確認中)
さて、試合は開けれみれば、予想と少し違うスタート。相手はワントップを残して、自陣でスペースを消してくるからと思いきや、前からハイプレッシャー。連動がしっかりしていないので、上手く外せることもあるのですが、予想していなかったこともあり、我々も少しアタフタ。しかし、そこはコチラも手がないわけではないので、MFを一枚後ろ目に下げて中継地点を増やし対応します。そうしているうちに相手もいつもどおりの戦術に変更してきたので、こちらは想定通りに対応。落ち着きを取り戻します。
そこから1点を奪い取り、5つの決定的な場面を外しながらも相手のシュートを3本に抑え、無事に勝利しました。(残り10分でウチの第一監督が退場したので、高校生カテゴリー初監督デビューw)
初戦なので思い通りにいかないことも多々あり、修正点もかなり多く見られましたが、波乱の可能性の高い初戦を無事に収めれたことは評価できると思います。
これからはフィジカルで押してくるチームや、スタイルが似たようなチームなど、様々なチームと対戦することになると思いますが、監督陣はきっちりと相手を分析し、それをトレーニングに落とし、選手たちが少しでも楽に試合を運べるようにしてあげたいと思います。
やっぱり、リーグ戦のピリピリ感となんとも言えない高揚感にはゾクゾクします。
その後、私は第3節に戦う相手のスカウティングに向かいました。

(スカイティング中。この試合では今年昇格チームが去年上位チームを倒し波乱を起こしました)
サッカー三昧の週末があと9ヶ月続きます。
2014年8月26日火曜日
大宮アルディージャ バレンシア遠征
いよいよ、バレンシアサッカー生活も4シーズン目に突入し、それと同時に大宮アルディージャU-15のバレンシア遠征に帯同しました。
今回のバレンシア遠征は、アルボラヤUDとコラボレーションしてトーナメントを作り、そこに強豪チームを招待するという形で行いました。
参加チームは、バレンシア、ビジャレアル、ウラカンバレンシア、アルボラヤとバレンシア州の強豪、ひいてはスペイン国内で有名なチームばかり。しかも、シーズン前ということで、お遊びチームではなく、きっちりと各クラブがU-15年代のトップチームを派遣してくれました。
今回のバレンシア遠征は、アルボラヤUDとコラボレーションしてトーナメントを作り、そこに強豪チームを招待するという形で行いました。
参加チームは、バレンシア、ビジャレアル、ウラカンバレンシア、アルボラヤとバレンシア州の強豪、ひいてはスペイン国内で有名なチームばかり。しかも、シーズン前ということで、お遊びチームではなく、きっちりと各クラブがU-15年代のトップチームを派遣してくれました。
進め方は、2日間のトーナメントで、1日目は2グループ3チームづつに別れ、各グループ総当りで順位を決め、2日目はその順位で決勝トーナメントに挑みます。
さて、大宮アルディージャU-15。予選はバレンシア、アルボラヤBと対戦し、初戦バレンシアに0-2で敗戦、アルボラヤBに1-0で勝利し、予選リーグを2位で通過しました。
さて、大宮アルディージャU-15。予選はバレンシア、アルボラヤBと対戦し、初戦バレンシアに0-2で敗戦、アルボラヤBに1-0で勝利し、予選リーグを2位で通過しました。
バレンシア戦
アルボラヤB戦
そして、2日目の決勝リーグ初戦は、強豪ビジャレアルと!!
スペインのチームはシーズン前でチームが仕上がっていないとはいえ、育成年代のビジャレアルはスペイン国内でも超強豪と言われるチーム。そのビジャレアルと対戦し、世界での自分たちの立ち位置を知るにはもってこいの相手。

試合は、前半早々に失点、追加点も取られ前半を0−2で終了。
ただ、前日バレンシアに負け、自分たちの足りないところを監督に指摘をされていたこともあり、選手たちは奮起!後半怒涛の攻撃で、2点を取り返し同点でPKへ。
PKは3本勝負で、2本目を大宮アルディージャGKが止め、3−2で勝利!!!
決勝は予選で負けたバレンシア!!
リベンジを誓います。
遂にやってきた決勝バレンシア戦!!!
否が応でも気合が入ります。(私もアテンドながらバレンシアには負けたくない!!)

前半、アルディージャは高いテクニックを活かして、ポゼッション率を高めることで、相手陣地へとじわじわと侵入していきます。しかし、相手も一度戦った経験を活かしてキープレーヤーをいち早く潰すことでそれを許さず、切替でカウンターアタックを狙ってきます。
そんな中、自陣でボールを失い、そこからバレンシアがゴール。切替の速さを活かしたゴールを決められてしまいます。
しかし、アルディージャも最後の一分まで頭を下げずに戦い、後半最後2分のところで、右サイドから崩し、そこから中に切り込みシュート!!惜しくも左ゴールポストをかすめ万事休す。0-1で破れ、準優勝という結果となりました。

初のバレンシア遠征でありながら、その存在感を見せつけた大宮アルディージャ。
トーナメント開催クラブのアルボラヤUD関係者も口をそろえて、良いチームだ。テクニックのレベルが高い。と賞賛の声を上げていました。
今回、親善試合ではなく、クラブと連携してトーナメントを作るという事にチャレンジしましたが、親善試合よりもインテンシティが高く、お互いが勝ちに拘ることによって限界を超えた何かが生まれたように感じたので、日本のチームが来られる際の一つの大きなオプションになるなと感じました。
やはり、サッカーは真剣勝負の中でしか成長しないですからね。
私も今回のアテンドを通して、日本サッカー、スペインサッカーの違いを自分の目を通して認識することが出来、とても有意義な時間を過ごせました。
スペインのチームはシーズン前でチームが仕上がっていないとはいえ、育成年代のビジャレアルはスペイン国内でも超強豪と言われるチーム。そのビジャレアルと対戦し、世界での自分たちの立ち位置を知るにはもってこいの相手。

試合は、前半早々に失点、追加点も取られ前半を0−2で終了。
ただ、前日バレンシアに負け、自分たちの足りないところを監督に指摘をされていたこともあり、選手たちは奮起!後半怒涛の攻撃で、2点を取り返し同点でPKへ。
PKは3本勝負で、2本目を大宮アルディージャGKが止め、3−2で勝利!!!
決勝は予選で負けたバレンシア!!
リベンジを誓います。
遂にやってきた決勝バレンシア戦!!!
否が応でも気合が入ります。(私もアテンドながらバレンシアには負けたくない!!)

前半、アルディージャは高いテクニックを活かして、ポゼッション率を高めることで、相手陣地へとじわじわと侵入していきます。しかし、相手も一度戦った経験を活かしてキープレーヤーをいち早く潰すことでそれを許さず、切替でカウンターアタックを狙ってきます。
そんな中、自陣でボールを失い、そこからバレンシアがゴール。切替の速さを活かしたゴールを決められてしまいます。
しかし、アルディージャも最後の一分まで頭を下げずに戦い、後半最後2分のところで、右サイドから崩し、そこから中に切り込みシュート!!惜しくも左ゴールポストをかすめ万事休す。0-1で破れ、準優勝という結果となりました。

初のバレンシア遠征でありながら、その存在感を見せつけた大宮アルディージャ。
トーナメント開催クラブのアルボラヤUD関係者も口をそろえて、良いチームだ。テクニックのレベルが高い。と賞賛の声を上げていました。
今回、親善試合ではなく、クラブと連携してトーナメントを作るという事にチャレンジしましたが、親善試合よりもインテンシティが高く、お互いが勝ちに拘ることによって限界を超えた何かが生まれたように感じたので、日本のチームが来られる際の一つの大きなオプションになるなと感じました。
やはり、サッカーは真剣勝負の中でしか成長しないですからね。
私も今回のアテンドを通して、日本サッカー、スペインサッカーの違いを自分の目を通して認識することが出来、とても有意義な時間を過ごせました。
大宮アルディージャの関係者の皆様、本当に有難うございました。
登録:
投稿 (Atom)