2014年6月30日月曜日

2013-2014シーズン終了

今日をもって2013-2013シーズンが全て終わりました。
後は指導者学校の追試を残すのみです。

今季は、初の高校生年代の第二監督、U-8の第一監督という初づくしで、胃が痛くなることも有りましたが、高校生はリーグ2位、昇格プレーオフ一回戦敗退、U-8は16チーム中13チームが一学年上の中で10位という成績でした。
また、U-8の方は指導者学校との兼ね合いもあり、なかなか試合を率いることが出来ず、それが原因でなかなかトレーニングが上手く構築できないというフラストレーションにも悩まされた一年でもありました。

更に、指導者学校のレベル2も受講していたので、かなりハードな一年だったなという感想です。ただ、コレこそが求めていたものだし、きっと外に出たからこそ得られた経験だとも思っています。

さて、来季2014-2015シーズンですが、高校生年代1年生の第二監督、U-9 or U-8の第一監督となりました。構成としては、今年と一緒です。ただ、選手はぜんぜん違うので違った一年に成ることでしょう。

来年受け持つ高校生年代は今シーズン中学生年代のトップチームの選手が半分、新入生が半分といった構成になっています。クラブから彼らを良く知るためにと新メンバー(U-15)でトーナメントを戦って来ることを言われ、高校生年代のトーナメントにすでに参加してきました。
グループリーグを3連勝1位で通過し、準決勝U19のチームを相手(今年のJuvenil Bで対戦したチームで、半数以上が試合に出場。その際は0−2、0−1で2連敗)に3−1で勝利。
そして、決勝はマドリッドから来たそちらでは有名なチームのU-16(レアルマドリッド、アトレティコ、ヘタフェの後ろにつけるようなチーム)。
かなりインテンシティの高い試合を闘いぬき、1−1でPK戦へ。
お互い2本決め、2本外して迎えた5本目、先行の相手チームのシュートをGKが最高の反応で止め、そのGKが5本目を決めて勝利。U-15で参加したU-19の大会で優勝してしまいました。彼らの強みは別の機会に話すこととしますが、本当に強いチームです。



シーズン最後の試合を最高の形で終われ、また来シーズンを最高の形で始めれそうなので、嬉しい限りです。

これから少し時間ができるので今期をまとめる意味でも色々と書いていきたいと思います。どうぞ宜しくお願い致します。

2014年4月15日火曜日

チームのモチベーションビデオを作りました

久々の投稿になりますが、先日の上位対決のために作ったモチベーションビデオを公開したいと思います。

実は、この試合は負けてしまったので、封印しようかと思いましたが、プレーオフ2枠を狙っている他のライバルチームも下位チームに負けてくれ、プレーオフ枠内に残れるという奇跡が起こったので、限定公開ということで公開を決めました。











まだプレーオフ進出確定まで3試合を残していますが、全勝で通過し、プレーオフも勝ちきり、昇格を手に入れたいと思います!!!!!

2013年12月31日火曜日

小学生と高校生をトレーニングすること

今年最後の投稿は、私が担当しているU-8とU-18のチームの両方をトレーニングしてみて感じたことを書いていきたいと思います。

今年に入ってU-8とU-18のチームの両方でトレーニングする機会をいただいたのですが、去年までの1チームでトレーニングしていたときとは違う感覚がわいてきました。

(U-18の選手たちとの食事会)

それは、U-18の選手に対して、「なぜ、今になってこれが出来てないのか」、「これが出来ていれば失点しなかった、または得点できたはずだ」というネガティブな感覚と、「これをどこで習得したのか」、「どうやってこの感覚を手に入れたのか」というポジティブな感覚の2つなのですが、これらはどちらも彼らの育成がどう行われてきたかについての感情だったのです。

ここで具体的に何ができていないのか、という部分は今回の投稿の目的ではないので別の回にまわすとして、ここで言いたいことは、上のカテゴリーでトレーニングすることで、下のカテゴリーで身に付けてなければならないことが明確になるということです。
実はレバンテUDも、U-18のトップチームの監督陣には、U-15のBチーム監督、U-13のBチーム監督が含まれています。

私自身は、U-18で共通して出来ていないこと、出来ていることをきっちりと見分けることで、U-8の子供たちに対して注力しなければならない部分を見つけることができました。(U-18で共通して出来ていることはクラブとして意識している部分なのでほぼ自動的に育成段階で身に付くと考えています。もちろんU-18で出来ていることでも必要なことはトレーニングします。)

もちろん、U-8とU-18では年齢がかなり違うので、U-18に足りないもので、U-8でも出来ていないものを全てトレーニングしすることは出来ませんが、ある程度のことについては設定を調整することで実現できているので、細かいところに気を使いながらU-8のトレーニングを継続してきたいと思います。

日本ではなかなかこういった環境を手に入れるのはJ下部組織以外では難しいと思いますが、これはクラブ運営からすると選手育成、監督育成、また経済面においてもすごく良い影響があるのではないかと思います。

監督が勉強し、考え続けられる環境作りというのはとても大事だと実感させられた体験でした。


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さて、これが2013年、最後の投稿となります。皆さんの2013年はいかがだったでしょうか?

2014年も皆様にとって飛躍の年になるよう心よりお祈り申し上げます。

2013年12月8日日曜日

テクニックのミスに関する問題の解答例

今回は、前回の投稿で質問を投げさせていただいていたので、その解答例を書いていきたいと思います。
わざわざ例と書かせていただいたのは、各チームのプレーモデル(試合の進め方)によって、最も必要とされるテクニックは違い、それによって優先度も変わってくるはずだという理由です。ですので、今回は私が考える、レバンテUDが考えるあのシーンの中で最も修正したいテクニックのミスについて指摘していきたいと思います。

さて、問題のシーンをもう一度見てみましょう。

レアル・マドリードのシャビ・アロンソからベンゼマにパスが渡り、バレンシア相手に得点を取ったシーンです。
さて、見ていただけると分かると思いますが、この動画の中にはいくつものテクニックが使われています。例えば、トラップ、パス、ドリブル、フェイント、クリア、タックル等ですね。
では、どのテクニックに重大なミスがあったか?
それは、「クリア」です。

では、「クリア」に注目して、もう一度見直してみましょう。
誰か不自然な動きをしている選手はいませんか??

そう、センターバックのリカルド・コスタ選手です(得点者ベンゼマのマークについている選手)。では、何がミスなのか。
もちろん、彼、チームとしてのポジショニング等に問題があるという指摘はあるでしょうが、それよりも今回は彼が「クリア」の際に用いたテクニックについて、考えていきましょう。

まず、からだの向きを見てみましょう。映像の0:16のあたりで、からだはどちらを向いているでしょうか?
この時点で彼はボールとマークを見れるように良いからだの向きをしており、問題ないように思われます。(どちらの足が前に出ているか注目していてください)

その後、シャビ・アロンソからパスが出ます。
そして、彼は「クリア」の為に、右足を出してボールに触りにいくが、球足が早く追いつかずにベンゼマに渡り、ゴールに繋がります。

聡明な皆様はこの時点でもうお気づきかと思われますが、そう今回の問題点は「クリア」の足です。
右から来るボールに対して、右足でボールを触りにいくのと、左足で触りにいくのでは、足を伸ばした際に「腰の距離」だけ右足で触りにいくと損をしてしまいます。これが、「クリア」のテクニックなのです。さらに、ポジションをとっていた状況で既に左足が前に出ていて、右足よりも前にあり、より遠くに届く可能性があるもも左足だったはずです。

彼は右利きなのできっと、左から来るボールに対しては、右足で「クリア」に行くことでしょう。しかし、右から来るボールに対しては左足でいかない。もし、育成時代にきっちりと修正されていれば起こりえなかった失点だと言えます。(右利きの方は左からボールがあがってくることをイメージしてみてください。きっと右足のほうが遠くに届くことが分かると思います)

もちろん、右から来たボールに対して、右足でいく場面もあると思います。例えば、競り合いの場面で、相手よりも先にボール触らなければならないぎりぎりの時などです。しかし、今回の場面では、そうではなく事前に相手の位置も把握し、ポジションも適切な位置をとっていたはずなのできっちりと「左足でクリア」に行く必要があったと判断できます。
これが、先週の私の質問の答えになります。

いかがだったでしょうか?
こう考えると、「試合の場面に応じて適切なテクニックを使うこと」が重要だということに気がつかされます。

テクニックは状況の中で自動化される必要があり、それをトレーニングするには試合の状況を無視したオーガナイズでは意味がないことが今回の映像とそのミスを見て分かっていただけたかと思います。
要は、トレーニングの中できっちりと状況を設定した上で、説明し納得させて適切なテクニックを身につけなければならないということです。

指導者の責任は大きいですね(汗。。。)


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余談ですが、実は本投稿の裏の目的が「クリア」をテクニックだと認識してもらうことになったのですが、いかがだったでしょうか???
私自身、日本にいたときにテクニックと言われればトラップ、パス、ドリブルをイメージしていましたが、皆様に守備のテクニックもあるということに気がついていただければ幸いです。

詳しく知りたい方は、『誰にでもわかるサッカー説明書~テクニック編~』を観ていただけると分かると思います。(http://soccersetsumeisho.jimdo.com/
絶賛宣伝中!!!(笑)

2013年12月2日月曜日

技術(テクニック)、戦術、フィジカル、メンタルではどれが重要??

さて、先日のレバンテUD研修のテクニック編で問いかけられた質問がこれです。
皆さんはどうお考えでしょうか??


レバンテUDのテクニカルディレクターの方の答えは、『全部!!』

もちろんその通りですよね(笑)

ただ、その真意は次の言葉にあります。
近年スペインでは戦術とフィジカルに重きが置かれ、テクニックとメンタル面は置き去りにされていることがしばしばだった。パーセンテージでいえば、40%、40%、10%、10%といった割合である。ただ、我々はその10%の部分が試合を決めることが多いことに気がつき、最近はその10%に注目をして取り残さないように努めている。

とのことでした。そして、今回はその10%の片方であるテクニックへの取り組みについて説明をしていただきました。

意外だったのは、日本では戦術が足りないといわれ、レバンテUDではテクニックが足りないと思っている点。

では、彼らの考えるテクニックとはどういうものなのでしょうか?
ボールを正確に蹴ること、止めること??

きっとそれだけではないはずです。スペインで考えられているテクニックの分類、説明の詳細は坪井さん出版の『誰にでもわかるサッカー説明書~テクニック編~』を観ていただけると分かると思います。(http://soccersetsumeisho.jimdo.com/
(友人の本の宣伝ではなく、日本語でテクニックをきっちりまとめているものがないので。)

そして次に見せていただいたのがこの動画。
皆さんはこの中の重大なテクニックのミスに気がつきますか??
(ちなみに私は見逃しました。。。)

http://goo.gl/j4eYLc

最近レバンテではこういった試合(育成も含め)でのテクニックのミスを分析し、その修正のためにチームから何人か取り出して、グループで練習をしているようです。

さて戻りますが、この動画を観てあるテクニックのミスを見極めてみてください。真の答えはそれぞれのチームが一番重要だと考えるものなので、唯一の答えはないと思います。が、ミスはミスとして存在していますし、プロの世界だとこのテクニックのミスが決定的な場面を誘発してしまうものが隠れています。

このミスは育成時代に修正されなかったから起こったもので、きっちりと修正されていればこの失点は起こりえなかったはずです。(ヒント!)そういった意味でも、戦術、テクニック、フィジカル、メンタルに優先順位をつけていると見えなくなるものがありそうですね。

次回は、このテクニックのミスとその解説を行いたいと思います。

2013年11月29日金曜日

ビジネス体験 @ Levante UD インタースペイン社を終えて

前回から少し空いてしまいましたが、今回はビジネス体験 @ Levante UDでアテンドをさせていただきましたので、その報告を書きたいと思います。

まず最初に本プロジェクトはスペイン1部のプロチームでビジネス体験をできるという極めて稀な体験の出来るプロジェクトだということ。私自身もビジネス系のアテンドをさせていただくの初めてだったのでワクワクしながら参加させていただきました。

さて、大まかな内容としては以下になります。
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2013年11月20日(水) - 26日(火)
◆クラブ担当者による講義(各部門トップ)
◆現場スタッフとの懇談会
◆トップチームの練習見学・フォトセッション
◆試合後の記者会見見学
◆ディレクターへの日本向けプロモーションのプレゼン etc.
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さて、研修について少し書いていきたいと思います。

まず、1日目。
前日にバレンシアに到着していた参加者とホテルのロビーで待ち合わせをし、その後レバンテのスタジアムへ。すぐに大きな会議室に通され、早速プログラムが開始。いきなり、レバンテUDのサッカー部門のディレクター、ビジネス部門のディレクター(2人ともクラブ会長直下の所属)が登場しお話をしてくれることに。
内容はとても興味深く、なぜリーガ・エスパニョーラで一番予算が少ないチームが先シーズン6位になりヨーロッパカップに行けたのか、なぜ近年下部組織が好成績(ダノンカップスペイン優勝)をあげ始めているのか、そのキーとなる情報が聞けたように思います。また、彼らは全てを隠すことなく参加者の質問にも誠実に答えてくれるので、すごくレバンテというクラブに対して好感を持つことが出来ましたし、参加者も活きた言葉が聞けてとても勉強になったのではないかと思います。その後はスタジアム全体を見学をし、初日が終了しました。

さて、2日目は郊外のレバンテの練習場に移動し、トップチームの練習を見学。この日は試合前ということもあり一般非公開だったのですが、特別扱いで見学可能に!!試合前のカパロス監督の戦術指導を見ることができました。その後、選手と写真を撮り、午後は育成の話に。ユースの監督が登場し、ユースからプロにつながる部分の育成方法、その哲学と詳細が紹介され、実際に彼が担当するユースチームのトレーニング見学。2日目はどちらかというと育成に特化した内容となりました。育成はクラブ運営の上で最重要課題。それを惜しげもなく外部の人間に公開するとはすごい!!



3日目、4日目は、育成のコーディネーターから、テクニカルな話も含めた育成の組織図、その構造、哲学などが話され、それから育成年代、トップチームの試合観戦。トップチームはビジャレアルとのダービーでしたが、残念ながら0−3の負けてしまいました。その後、記者会見場にも入れてもらい、テレビ、ラジオ、新聞記者たちがいる中、一緒に試合後の記者会見を聞きました。



そして、最終日。
朝は、コミュニケーション部門のディレクターからウェブ、ラジオ、テレビ等をどのように有効的に使っているかについて説明があり、その後まさかのレバンテUDラジオに生出演!!!レバンテUDラジオ史上初の日本人出演者となりました!!!
その後、日本で準備してきた資料にこちらで体験したことを追加したものをレバンテUDのディレクターに直接プレゼンテーション!!!外国語での発表ということでかなり苦労したとは思いますが、きっとその経験は何にも代え難いものになったと思います。




簡単な説明ではありましたが、5日間という期間でかなりのことを学ぶことが出来ましたし、日本のクラブ運営にとって大きなヒントとなる情報を教えていただけたと思います。参加者の方々には、この経験を日本に持ち帰り、再度考えをまとめていただき、それを持って日本のサッカー界、クラブ運営を牽引していく役目を担って頂きたいですね。

最後に、この素晴らしい経験を準備していただいたインターンスペイン社の方々に感謝しております。

2013年11月6日水曜日

勝ち方を経験から学ぶ

先週、1分を挟んで4連勝し5位に順位を上げた我々ですが、今週は下位のチームとの対戦でした。

私は観に行けなかったのですが、第一監督が対戦相手のチームの試合を先々週にチェックしていたようで、彼曰く質は別として今まで対戦したチームの中で一番好感の持てるサッカーをするチームだったそうです。

今週末の試合は、先週退場したサイドバック、怪我のセンターバック、1日自己都合での練習不参加のキーパーという後ろ3枚のスタメンを欠き少し不安を抱えた状態での試合となりました。選手の起用方法について詳しくは別の機会に話すこととして、かなり厳しくいろいろな面を評価して試合登録選手を決めているので、こういったことが起こるのも予想して日常のトレーニングから選手を育成していかなければ行けません。(ユーティリティー等)

さて、試合前のロッカールームでは、ここ3試合で先制するもいつも追いつかれる展開を繰り返してきているので、1点取った後にリラックスせずに2点目、3点目をできるだけ早く取り、試合を決めに行く事を学びなさい。そのためには・・・という指令が出た後、全員で気合を入れて試合開始。

試合に入ると相手のDF面でのプレッシャーが以前のチームより緩く、中盤でボールを保持できるので、我々の強みであるサイドへの展開を数多く作り出すことが出来ました。その展開の中から、獲得したCKから得点。更に5分後、課題であった追加点を左サイドに置いた右利きの選手が中に切り込んだところでファールをもらいPK。開始20分で2−0と相手を引き離しました。

そこからは我々が試合をコントロールし、後半に入って早々に2点を追加し4−0で試合を決めました。しかし、いただけないのは試合終了10分前。気持ちが抜け、またずっと控えだった選手とのコンビネーションの質が下がり2失点。最終的に4−2での勝利。

課題であった追加点を取りに行く姿勢、気持ちの持って行き方をこの試合で学んでくれたこと、勝者のメンタリティーを少しずつ手に入れていることは評価できると思います。

また、この試合の後知ったことは、先週に続き1位以外の上位が負け、引き分けだったらしく、まさかの2位に浮上!!!コレで昇格圏内に入りました!!!

まだまだリーグの4分の1が終わったところ。先に上位にいることでのプレッシャーもこれから経験していかなければならないと思うので、気は抜いていられません。
ただ、個人的にはこのプレッシャーを経験できることはなかなか無い機会なので、楽しんでいきたいと思います!!

さて、今日も良いトレーニングをしに行って来ます!!